ウジ虫の話 。 嫌いな人は読まないほうがいい。
骨格標本の作り方は色々あるらしいが、私はウジ虫を利用する。
(前に技能員さんに教えてもらったやり方ではない。)
タッパーの中に枯葉一枚と死んでしまったカナヘビを入れる。
するとウジ虫が湧いてくる。
ウジ虫はカナヘビ頭部からどんどん侵食していく。目はあっという間に無くなる。
まさに
こんな感じで目のところを出たり入ったりしている。
この絵、まさか、カナヘビが人間を食べてるとこじゃなかろうね。
でもカナヘビ顔が真っ直ぐ向いているから、屍に戻ってくる感じではない。ただの通りすがりか。やっぱり奇妙な絵だな。
話を戻す。
次は首元。カナヘビの首元はパンパンに膨らみ、波打つように動いている。ウジ虫が沢山いることがわかる。
それから腹部。
腹部もパンパンに膨らんでいる。角質層の色素もどんどんなくなり、カナヘビの体はどんどん透明になっていく。
その透明になった体からウジ虫のいる様子がよく見える。
このひとたち、ずっと食べてる。
どんどん体が大きくなっている。
というか、このウジ虫たちはどこから来たのか?
当たり前だが、ウジ虫は、魔法のように出てくるわけではない。どこかしらに卵を産みつけている。しかし、うじゃうじゃ湧くのには、やはりハエ特有の性質があった。
ウジ虫には、「幼生生殖」という特殊な生殖機能が備わっているらしい。
ウジ虫の体の中にある生殖細胞は、本来ハエになってから次の世代となるのだが、ウジ虫のうちに体内で新しいウジ虫が作られることがあるとのこと。
この世から居なくなる気配はまるでない。
とにかく骨だけになったらすぐに熱湯をかけて、ウジ虫を駆除しよう。
ちなみにこれらのタッパーは紙袋に入れて、日の当たらない箱の中に入れている。日向に置いておいたら、ウジ虫は屍に寄り付くのではなく、タッパーから出ようとうじゃうじゃしていたからだ。
大変気持ちの悪い絵面である。
箱自体は臭わないが、やはりタッパー内の臭いはキツイ。が、私は結構耐えられるレベルだ。