タムラのBlog

はっとしたら、ぐっときたら まずはそっと抱いてみる

ああ 寝ている ホッとする


眠る カナヘビベビー

孵化後12日目

 

赤ちゃん部屋

朝、1匹の動きがおかしい。

動きが鈍い。時々、前足の指が内側に入り込む。内股のような状態。

後ろ足がまっすぐに伸びている時間が多い。普段は私の指を目に前に出すと、スルスルっと登ってくるのだが、今日は自分の意思で登ろうとしない。体力の低下?

 

嫌な予感。

あの姿が脳裏から離れない。昨日、1匹の赤ちゃんカナヘビが大人のカナヘビに体を噛まれた。赤ちゃんカナヘビはひっくり返った状態でジタバタしていた。私は「バカ野郎」と、大人のカナヘビの口元にピンセットをもっていった。すぐさま、赤ちゃんをその場に置き去り、去っていった。なんて腹ただしいのだ。

 

インターネットの情報だとカナヘビは共食いをほとんどしないと書いてある。よほどお腹が空かない限り。

大人のカナヘビにはコオロギを与えていた。それでも噛み付くということはお腹を空かした状態にしてしまったのだろう。腹ただしさから、申し訳なさに変わる。

同じ飼育ケース内にいたとき、共食いの様子なんて全く見られなかった。じゃあ、今回は何が違うのか。思い出すと、餌を食べさせようと赤ちゃんカナヘビをケースから出し、再びケースに戻した。その時、戻し方が雑だったのだと思う。結構暴れた。その瞬間に大人のカナヘビが飛びついた。つまり、コオロギと間違えたのではないか。

 

カナヘビの頭部や顎は大変強いらしい。自分よりも大きな昆虫を潰すほどの顎の咀嚼力を持つ。カナヘビの体は柔らかい。赤ちゃんカナヘビ苦しかったろう。

 

外側に大きな外傷は見られなかった。肺を見ると一生懸命呼吸しているのがわかる。ただ「頑張れ」としか言えない虚しさ。

その後カナヘビの息絶える姿は、悲しさを増幅させた。暴れるでもなく、下半身からすーっと脱力していった。どうしようもない悲しみを置いて、逝ってしまった。

 

そんなわけで、今朝、弱っているカナヘビに怖くて仕方がなかった。

 

まずできることは何か。

食事だ。とりあえず、桜エビを食べているミルワームをハサミで半分に切り、体液を口の周りにつけた。ペロリと舐めていたので再びミルワームを近づてみた。しかし嫌がっていた。次はコオロギの体液。こちらは舐めようともしない・・・。

すると、昨日頼んでいたヨーロッパイエコオロギが届いた!タイミングの良いこと。嬉しかった。早速あげてみた。

元気な赤ちゃんはたべたが、やはり弱っている方は食べない。警戒しているのか、食べる力すらないのか、原因がわからない。ジタバタしても仕方がない。コオロギを数匹入れておき、様子をみた。

 

夕方、おそるおそる見てみると、コオロギを食べたかはわからないが、歩き回っていた。嬉しい。

 

21時。

 

ぐっすり寝ている赤ちゃん。

二匹一緒に、頭を寄せ合って。

二匹の 小さな体をじっとみていると、小さく でもしっかりと呼吸をしている。

人間と同じ、肺呼吸。

同じペースで自分も呼吸してみる。

小さな小さな呼吸になる。あぁ、本当に小さな体なんだと実感する。

歳をとった私は涙が出そうになるの。

いつか目覚めた自分が

f:id:oioimioi:20170819212116j:plain

こうなっていても不思議ではないと少しだけ思った。